ご覧頂きありがとうございます。
今回のコラムは続編となっています。
(前編のコラムを参照されたい方は下記からご確認下さい)
今回は自分らしい強みを考える3つの視点であるWill(価値観や欲求・願望)、Can(能力や才能)、Must(役割や期待)のうちMust(役割や期待)について考えていきたいと思います。
あらゆる働く人が社会や組織から自分自身が応えるべき役割や期待を担っています。
例えば経営者であれば経営者として、役員であれば管掌部門の役員として、部長は部長の、課長は課長の、主任は主任の、そして担当者は担当としての応えるべき役割や期待を担っています。
もう少し視点を変えると組織における機能とその構成員としての役割や期待を担っています。
例えば管理部門の方であれば総務や人事、経理や法務等といった機能別に組織や担当が分かれており、それぞれ組織に求められる役割に応える為に日々仕事をしています。
このように役割というものは「ある職位や立場の人に対して期待される一連の行動」と言うことができます。
ただし単に行動すれば良いというだけではなく期待には応えなければいけませんしその行動が組織に貢献するものでなければ組織にとっては意味のないことですので、「関係者の期待に応える、または貢献を果たすべく取る具体的な行動」ということもできます。
当たり前のように思えるかもしれませんが、「自分自身に求められる役割は何か?役割を適切に認識しているか?」という問いを考えることはとても大切です。
ある営業部門において顧客満足度の向上を組織方針として掲げていると仮定して、営業部員が目先の売上に傾注して顧客に悪影響(強引な営業によって不満足を引き起こす等)を及ぼしていたとします。
この営業部員は「売上を上げることが営業部員の役割だ」として自身の役割を認識していた場合、この方はこの営業部門の掲げる顧客満足度の向上という営業部員に対する役割を果たせていないということになりますね。
役割を適切に認識するということは「会社や組織における自分自身の存在価値や介在価値を認識する」ということになります。
会社や組織における自分自身の存在価値や介在価値を認識し貢献する為の具体的行動を発揮できない場合は、その人である必要はありませんので他の人を配置することで組織は運営されます。
「なぜ自分自身がこの役割を担っているのか(存在価値)」「この役割を担うにあたって自分自身に求めらる介在価値は何か?」ということを考えることの重要性がご理解頂けたことと思います。
管理職の方で稀に見るケースが上層部や上位組織からの方針や重要連絡をただ転送するだけの方がいます。(私は「転送上司」と名付けています)
リーダーである管理職として求められる役割の1つに上層部や上位組織からの方針に対して自分なりの理解や意味を自分の言葉で部下に説明をして方針への参画行動を促すことが求められます。
そう考えるとメールの転送はロボットでもやってくれますので、この転送上司は介在価値を果たしていないですよね。
(もしかするとその管理職のポスト自体が不要なのかもしれません)
自分自身の役割を適切に認識する際に5つの視点で考えると整理しやすいのでご紹介したいと思います。
・顧客からの期待は何か?期待に応える為の具体的行動は何か?
・上司や組織上層部からの期待は何か?期待に応える為の具体的行動は何か?
・部下、同僚、後輩からの期待は何か?期待に応える為の具体的行動は何か?
・関係部署からの期待は何か?期待に応える為の具体的な行動は何か?
・自分から自分自身への期待は何か?期待に応える為の具体的な行動は何か?
(キャリアビジョンや自分がどうありたいか?という問いです)
これら5つの視点で整理した後に、下記の視点で整理します。
・これらの全ての視点を総合して「5方良し」を実現する為に自分自身が発揮する具体的行動は何か?
そうするとその具体的行動はうまくバランスの取れた適切な介在価値を発揮しているということになりますね。
また自身の役割を考えた後には上司と自分自身の役割に対する考えを意見交換することを推奨しています。
今回お考え頂いたのは自分自身が考える期待されるであろう役割(認識役割と言います)についてです。つまりあなたが想像する関係者からの期待です。
しかし上司が考えている実際にあなたに期待している役割(期待役割と言います)とズレがあることが多いです。
自分自身の役割を考えた上で仕事を頑張っても、ズレがあるままでは評価を得ることはできません。
上司と自分自身の役割に対するすり合わせをする為のコミュニケーションをとることで、認識役割と期待役割のズレを解消することが出来ると良いですよね。
1on1ミーティングや目標設定、評価面談の機会があればそこを活用しましょう。
参考にして頂ければと思います。