ご覧頂きありがとうございます。
これまで何週にも渡ってキャリアについての考え方をご紹介してきました。
随分長編になりましたがこのシリーズは今回で最後のコラムになります。
(シリーズを参照されたい方は下記からご確認下さい)
今回はキャリアデザインについてです。
自分らしい強みとはWill(価値観や欲求・願望)、Can(能力や才能)、Must(役割や期待)の円が3つ重なり合うものを指すことは既に書かせて頂きました。(【Vol.27】能力・才能を考えるをご参照下さい)
そして自分らしい強みを考える3つの視点であるWill(価値観や欲求・願望)、Can(能力や才能)、Must(役割や期待)についてそれぞれの考え方や着眼点をご紹介してきました。
3つの要素を整理してそれぞれが重なるもの、つまり自分らしい強みがおぼろげにでも見えてきたかと思います。
自分らしい強みが整理出来たら今度は未来への脚本作りを開始しましょう。
この未来への脚本作りをキャリアデザインと呼びます。
キャリアとは「報酬の有無を問わず働くことを通じて志を実現する成長プロセス」と私は定義付けしています。(キャリアの定義は十人十色です)
私達は働くことを通じて自分自身のありたい姿や実現したい姿に向けて日々成長を続けていますし、この成長や発達は年齢を問わず生涯続いていきます。
勉強は学生時代までで終わりではなく社会人になってからも勉強の日々ですよね。
「報酬の有無を問わず」というのも重要です。
例えば私の父は会社員をリタイアしてから地域の学校近辺の交通整理のボランティアをしています。当然ながらボランティアですので報酬は発生しません。
しかし父はガラケーからスマホに買い替えてボランティア仲間とグループLineを作って連絡を取り合っており、年齢や報酬の有無を問わず成長や発達を続けていますよね。
自分自身の強みを活かして将来ありたい姿や実現したい姿を描きましょう。
キャリアにおいて仕事(ワーク)と私生活(ライフ)はコインの裏表ですので、仕事面だけでなく私生活も含めて想像すると良いでしょう。
将来のありたい姿や実現したい姿に向けてどのような行動を取っていくかを計画しましょう。
日付を入れていくのも計画が具体的になるので良いでしょう。
ここで今日の本題なのですが、現段階で作成したこの計画にこだわり過ぎずに環境や置かれている状況に合わせて柔軟に変更していくことが大切です。
成功した企業経営者やトップアスリートが「夢(ありたい姿や実現したい姿)から逆算して計画を作って実現していく」というような話しを聞いたことがある方もいらっしゃることと思います。
しかし計画を実現する為にストイックに不断の努力を継続して実現していくというのは非常に大変ですし、ほんのひと握りの成功した企業経営者やトップアスリートだからこそ出来ることなのでしょう。
またこれだけ環境変化が大きくテクノロジーによる革新が続いていく現代では環境変化に対して自身を適応させていく変化対応力が求められます。
計画が実現できないことが悪いのではなく計画の前提となる環境が変わってしまうのです。
あくまで「計画は下書き程度」の認識に留めておいて柔軟に変更を加えていきましょう。
ありたい姿や実現したい姿を描いて自分にとって望ましい方向性さえ合っていれば大丈夫です。(このあたりのスタンスは計画的偶発性(計画された偶発性)理論としてご紹介していますので興味のある方はご参照下さい)
変化が大きい現代だからこそ計画にこだわることをせず柔軟に自分自身を変化させ、「何とかなるさ」と健全な楽観性を持って日々を過ごすことでチャンスの尻尾を掴むことができるのではないでしょうか。